2010年10月16日土曜日

神戸芝居カーニバルの19年

 神戸芝居カーニバル実行委員会の立ち上げは1992年である。ひとり芝居・ひとり芸を中心に据えた市民プロデュースで、最初の3年は「ひとり芝居の芝居展」と名付けて、
5月の連休に公演を集中させたり、5月〜6月の2か月間で開催したりしていた。4年目からは、年4〜6公演、多い年は10公演を取り組んできたので、19年目の今年の9月の
公演を終えた段階で120公演を超えた。
 そんな中で、新作、初演を手がけることができたことは幸運であった。最初は、吉行和子さんのひとり芝居「MITSUKO—ミツコ 世紀末の伯爵夫人」(作・演出:大間知靖子)で、吉行さんが
1993年から数度の海外公演をふくめて13年間演じ続けた代表作になった。
二つ目は、河東けいさんの一人芝居「母」(原作:三浦綾子 脚本・演出:ふじたあさや)である。「母」は小林多喜二の母の視点から多喜二を映し出す優れた芝居である。
招かれて中国(上海、北京)や韓国(春川)でも公演した。
 新作・初演ではないが、神戸芝居カーニバルと特別に深い関係にあった芸人は故マルセ太郎さんである。知り合って10年毎年何らかのかたちで兵庫、神戸で演じていただいた。
東西の優れた映画約20本をまるごと語り、演じる「スクリーンのない映画館」、自身が書き下ろす「立体講談」。マルセさんは2001年1月22日に亡くなられたが、その前年には神戸アートビレッジセンターで、4月から7月までの毎月2演目、計8演目を、「マルセ太郎大全集」として演じていただいた。マルセさんにはそのほかにも無理難題を持ち込んで結果すべてやっていただいた。たとえば、彼の映画
批評に貫かれている、本物を観る視点を縦横に語ってもらいたいと「シネマパラダイス—韓国篇」「シネマパラダイス—台湾篇」をやっていただいたが、これは初演で1回きりの舞台になったと思う。また、
神戸の聴覚障がい者の団体の要請で「スクリーンのない映画館ー泥の河」を手話通訳で演じて大きな感動を与えた舞台も忘れられない。
 マルセさんは講談社から2冊の本を出されたがいずれも絶版になっている。中でも『芸人魂』は出版の年のエッセイ大賞の候補になった優れた読み物なだけに手に入らないのは誠に残念である。
そんなこともあって、ぼくらは来年1月22日の没後10周年に向けて、『マルセ太郎読本』(クリエイツかもがわ刊)の発行にとりかかっている。
 神戸芝居カーニバルの最多出演記録はマルセ太郎さんだが、これを抜く可能性のある芸人さんが松元ヒロさんである。すでに9年連続登場で来年も4月1日、2日の2回公演が決まっている。
彼が尊敬する芸人がマルセ太郎であることは決して偶然ではない。
中島 淳

2010年7月26日月曜日

韓国映画「クロッシング」(シネ・リーブル神戸)

17日にKAVCシアターで韓国映画「息もできない」18日に長田ピフレホールでドキュメンタリー映画「月下の侵略者」を観た際、24日から神戸封切りと教えられ、初日第1回(12時10分上映)を観に行った。観客90人弱はまずまずの評判の現れと思われた。
この映画をどのような立場で、あるいは価値観でもって観るか。北朝鮮と韓国、貧困と労働、国家権力と国民、家族と隣人など軸になるものはいくつもある。
映画は2002年にあった脱北者25人がスペイン大使館に駆け込んで韓国亡命に成功した事件をモチーフにしている。製作は、脱北者問題に冷淡だったノ・ムヒョン大統領時代のため極秘裏にすすめられ、政権交代後の2008年6月に韓国で公開された。
ぼくは炭鉱で働く主人公ヨンス(元北朝鮮代表サッカー選手)と妻ヨンハ、一人息子ジュニの家族とヨンスの親友で中国交易を仕事にしている家族(妻とジュニと同年の娘)におよぶ運命の残酷な様を中心に観た。
ぼくに涙はなかった。それは音楽のセンチメンタリズムと大きすぎる音量のせいだったように思う。(韓国国内の映画祭では音楽賞を受賞しているそうだ)
ジュニ役の少年がいい。必見映画である。上映は、12:10と16:30の2回。

2010年7月25日日曜日

吉行和子著「ひとり語りー女優というものはー」(文藝春秋刊)

吉行さんはエッセイスト・クラブ賞をとられたことがあるように、出版されれば直ぐに手にとってみたい書き手のひとりである。
吉行さんそのものが実におもしろい人だと、テレビ番組や映画やテレビドラマから垣間見ているので、今回の女優としての半生記を一気に読ませて貰った。
31篇のエッセイからなっているが、それぞれのエッセイの締めくくりの言葉が吉行さんならではのユニークなもの。
登場人物、母あぐり、吉行淳之介、宇野重吉、杉村春子、寺山修司、大江健三郎らと吉行さんとの関係性が、その人との会話と会話の様子、言葉で見えてくるのがなんともおもしろい!
228ページに「1993年、この年から『MITSUKO−ミツコ世紀末の伯爵夫人』という一人舞台をはじめる。神戸の演劇プロデューサーが企画して、一人舞台大会を開くので『小間使の日記』で参加してくれ、との申し込みがあった。でも、私はどうせなら、日本人の役をしたいと思った。実在の人物、日本だけに留まらず海外にも行った人、そして今まで舞台や映画で描かれていない人物にしたい。演出家の大間知靖子さんと相談し、彼女が『クーデンホーフ光子伝』という分厚い本を見つけてくれた。これを芝居にして参加することにした。まさかその後、十三年間も続けるとは思ってもみなかった。」とある。演出プロデューサーと書かれているのはぼくで、前年5月に第1回を開催して翌年の企画を持ち込み、渋谷でお二人に会っていただいたもので、プロデューサーとは言えない駆け出しであった。事情を知らないぼくがお願いしたのはNHKTVでみた『蛍』の再演であったが「あれはテレビだからできたもの。」と吉行さんに言われ、大間知さんが「去年だったら芥川の百年でなにかできたわのにね。とにかくなにか考えてみましょう。」と言って下さって始まった舞
台だった。(1500円)

2010年7月20日火曜日

レンピッカ展(兵庫県立美術館)

タマラ・ド・レンピッカの肖像画は構図、色彩、モデルの眼に引き込まれる。大胆で新鮮、女性の肌の美しさと透徹した女体の官能。これらは、レンピッカが自身の美貌に絶対の自信を持ち、女性をも恋人にしていく自身の揺るがない観察力を持ち得たから描けたに違いない。
レンピッカ自身の容貌の衰えとともに、絵が描けなくなり、輝きの失せたものになってゆくのは必然だったのだろう。
7月25日まで。

2010年7月1日木曜日

深川和美の「おとなも子どもも童謡サロン」

今日7月1日は「童謡の日」です。 
7月11日(日)14時開演で、深川和美の「おとなも子どもも童謡サロン」を、松方ホールで催します。
長田区で被災、家屋全壊にあった深川和美が口ずさめたのは、それまで歌ってきたフランス歌曲で
はなく幼いころに親しんだわらべ歌や唱歌、童謡でした。
震災を契機に「童謡サロン」が始まったわけです。
深川が歌う童謡は、「題名のない音楽会」(6ch)でも紹介されたように、まったく新しいサウンドで再構成
されていながら、みんなで歌えるという不思議な音楽になっています。

ぜひお越しいただきたいと思います。
前売2500円、子ども(4歳〜高校生)1500円、当日3000円、子ども(4歳〜高校生)1500円。
お申し込みは、「童謡サロン実行委員会事務局長・中島淳090−1914−4907」まで。
お待ちしています。

2010年6月25日金曜日

映画「孤高のメス」

5月20日にplan-Bで映画監督の成島出さんに出会ったこともあって、予定を早めて「孤高のメス」を今日観て来た。
主演のナース役の夏川結衣と肝臓移植術外科医の堤慎一の会話の場面で3回泣かされてしまった。開腹手術の場面が125分の映画の三分の一以上あるように感じられたが、その映像は真摯な医療行為を印象づける撮り方で、この映画の制作の根幹であり納得させられる。
堤慎一が手術の際に都はるみの演歌のテープをかけさせる場面など緊張をほぐされた観客が一斉に大きな笑い声をあげる。エンターテイメントを随所に盛り込むことで緊張感も増幅される。
素晴らしいのは、夏川結衣のナレーションで物語を進める演出で、この映画のストーリーを説得力あるものにしている。ぜひ見に行って欲しい映画である。(三宮シネフェニックス)
中島淳

2010年6月24日木曜日

石原志保独舞 踊り場作業7「否連続」

6月20日丸ノ内線中野冨士見町駅で降りて案内図を頼りに初めてplan-Bを訪ねる。マルセ太郎さんのスクリーンのない映画館はこの空間で誕生したのだ。
石原志保さんの独舞は先一昨年雨の白州で迫真の踊りを観ていらいだ。
20時から75分間の踊り。田中みんさんの共同作品。美術:らん 音楽構成:村上史郎 照明:田中あみ。
長い静止、極めてスローな動き、背中での演技・踊り。二人の絶妙の関係性、照明による暗示、想像力を刺激する音(量としては3分の1で十分だったが)、空間を空間たらしめる美術。
息を凝らす75分。神々しい石原志保。肉体の限界に挑戦した石原志保。大木の田中みん。ぶれることのない田中みん。大地に根ざした二人のエネルギー。
終わってからの歓談。木幡和枝さん、高橋アキさんらと。掛川の美味しい日本酒に桃花村の空豆にきぬさやの塩ゆで。ホテルには0時40分帰着。事務局長中島淳

2010年6月20日日曜日

ゲルバーのベートーべン協奏曲全曲演奏会(芸文センター大ホール)

6月18日(第1番と第5番)19日(第2番、第3番と第4番)の両日、あのゲルバーの演奏を聴ける喜びと期待を胸に出かけた席がなんと前から2列目の真ん中!指揮者大山の足の動きだけがピアノの向こうに見える。代わりにゲルバーの霜焼けでふくれたような、指先だけが細い驚異の10本の指が目の前に見える!
2日間5曲演奏を聴いた結論の第一は、若いPACオーケストラの目に見える演奏の深化、充実である。初日は緊張感に欠けた硬さだけが目立ったが、二日目は音も良く鳴って見違える演奏になった(管楽器が弱いのはいたしかたなし)。この成長ぶりは明らかにゲルバーとの本番演奏効果だ。
ゲルバーの演奏では、最後に演奏した第4番が圧巻だった。華麗な第5番「皇帝」にはない繊細な曲を、ゲルバーは交響曲第5番「運命」の運命の扉を叩く力強いタッチと感情移入された繊細なタッチとで説得力十分な独自の4番を聴かせてくれた。
ほとんど演奏されない第1番、第2番が聴けたことも有難かったが、巨匠の個性あふるるエネルギーがPACを新たな域に到達させる時に出会えた幸せな2日間であった。(兵庫県芸術文化センター大ホール)
中島淳

2010年6月11日金曜日

森田雄三さんが神戸学校に(6月19日13:30〜16:00)

イッセー尾形さんの演出家、森田雄三さんが6月の神戸学校のゲストで来神されます。会場はエスパスフェリシモホール(須磨区弥栄台2−7)。参加料は一般1200円(学生1000円)、ペア2000円(学生1600円)。参加料は全額「あしなが育英会」の神戸レインボーハウスの運営支援に活用されます。主催・(株)フェリシモ。
森田雄三さんのテーマは「日常にある『笑い』について」。素人を4日間の稽古で舞台で演じさせてしまう、森田マジックを体感出来ますよ。
申し込みは「神戸学校」のホームページからまたはファックス(078-325-5720)にて、名前、住所、電話番号、枚数、「6月神戸学校参加希望」と記入して申し込んで下さい。
このチャンス、お見逃しなく!

2010年6月8日火曜日

英会話のお誘い

神戸芝居カーニバルのメンバーの徳田法文さんが7月からユニークな英会話教室を始めます。そのためのデモンストレーションとして6月中4回の体験教室を開いています。
4日の英会話はなかなか面白かったです。次は12日2時から3時まで、続いて17日2時から3時まで、27日2時から3時までです。会場は松方ホールのあるビルの3階のハーバーランド文化村です。体験教室の参加費は300円です。
7月からの教室は皆さんの希望に合わせて曜日、時間帯、グループか個人レッスンかが決められます。
少しでも実際に話せる英語を身に付けるために、ぼくも7月から受講します。6月の残りの体験教室には全て参加しますのでぜひお越し下さい!
神戸芝居カーニバル事務局長・中島淳

2010年6月6日日曜日

茂山千之丞「座・狂言の会」

第5回座・狂言の会が初めて日曜日の午後に開催されます。
9月19日14時開演、開場30分前。神戸ハーバーランドの松方ホールホワイエにお越し下さい!
今回の座・狂言は「空腕」、他に「狂言小謡」と「狂言よもやま話」。ききては神戸期待の舞台人、清水あきよ。
千之丞さんが身近な130席。前売り2800円、会員前売り2500円、当日3300円(完売の時は当日券を販売しません)。
主催は神戸芝居カーニバル実行委員会。チケットの申し込みは090ー1914ー4907(中島)まで。

2010年6月1日火曜日

「田中泯 場踊りin神戸2010」多数のご来場有り難うございました

 23日の嵐のような吹き降りが1日早かったら、そう想うと天に感謝のほかありません。
 なにしろ230人の方、須磨寺参詣の通りすがりに立ち止まられた方を含めると300人
になるわけで、あの嵐では「場踊り中止」でなくても傘も差せない、座ることもかなわぬ、で
大変なことになっていたでしょう。
 22日須磨寺には2時半頃からチケットを手にした方がぞくぞくと。みなさんに並んでいた
だいて3時半から<場踊り>の場にご案内しました。
 なにしろ5日前に「完売御礼」となり、以降40人(22日だけで20人)の問合せに「当日券
はありません」とお断りしたのですが、直接須磨寺に来られた方が18人もありました。この
方々には「すでに230人の方が入られています。見えにくいかもしれません。それでもよろ
しければ」とお断りしてご入場いただきました。
 「田中泯 場踊りin神戸2011」の日時、場所は未定ですが、決まり次第お知らせいたします。
ご期待下さい。 事務局長 中島淳

2010年5月17日月曜日

場踊りチケット発売ストップ

満員となりましたので発売ストップとさせていただきます。悪しからずご了承下さいますようお願い申し上げます。有り難うございました。来年の場踊りにご期待下さい。事務局長 中島淳

マルセ太郎の芸について

 「精選 春の語り芸2007」(主催『上方芸能』編集部 3月3日そごう劇場)のプログラムに、『上方芸能』誌代表の木津川計さんが
<「一人語り」への呼びかけ>という文を書かれています。
 その中でマルセ太郎の芸について述べておられます。木津川さんのお許しを得てその個所を引用させていただき、マルセ太郎の芸
を知らない方が5月23日12時からの「スクリーンのない映画館・泥の河」(DVD上映)を観に来ていただく一助にしていただけたら、と
思うのです。
 
 「(前略)私は六年前に亡くなったマルセ太郎を思い出しているのです。彼は映画を語りで再現しながら、俳優、演出家を称えました。
類似の作品と比べたり、独自の解釈を加えて映画以上に見ごたえ、聴きごたえのある´映画再現芸´を打ち立てたのです。マルセ太郎
の「泥の河」「生きる」「殺陣師段平物語」「天井桟敷の人々」などは、語りと演技と解釈を交えた新たな表現形式だったのです。
 マルセ太郎没後六年、いまだに彼の表現形式を継ぐ人は出てきません。(中略)
 私はマルセ太郎の形式を「一人語り」と呼んでいます。すると、朗読、語り、一人語りの区別はもう説明するまでもありません。もう一つ
一人芝居がありますが、これは一人で演じる芝居であって「一人語り」とは別の形式です。
 語りも含む朗読家から第二第三のマルセ太郎が生まれてきたら、語りの表現はさらに面白みを増すことでしょう。作品は文学、映画、舞
台劇、アニメ、なんでもいいのです。豊穣の「一人語り」のための呼びかけといたします。」

 木津川計さんはこの直後に「木津川計の一人語り劇場」を始められました。2007年は新国劇の「瞼の母」「一本刀土俵入」、2008年は
新派劇「金色夜叉」「婦系図」、2009年は新国劇「王将」、そして今年は映画「無法松の一生」を語られました。今年の「無法松の一生」は
神戸芝居カーニバルで催したいと考えるほど素晴らしかったことのみ記して、別の機会に触れたいと思います。中島淳
 

2010年5月6日木曜日

5月23日の「甦れ!マルセ太郎ー文忌2010ー」

5月5日12時前に永六輔さんの事務所から電話がありました。「やはり23日神戸に出かけるのは難しい」と。仕方ないことですが残念の極みです。永さんに来て頂いて、会を大きく成功させるつもりでした。永さん頼みはなくなりました!一人一人に地道に声をかけることに徹しましょう。 なんといっても、マルセ太郎の至芸、スクリーンのない映画館の中でも最高の芸「泥の河」を観ることができます。 事実Sさんは「今となってはこの日に観られるのは幸運」と4月初めにチケット2枚買われました。

2010年5月4日火曜日

5月8日に田中泯の会を開きます

5月8日土曜日2時から4時まで、文化村(ハーバーランドの神戸新聞松方ホールのビルの3階)で、田中泯の会を開きますが、最初の1時間、2006年1月3日にNHKで放映された、田中泯と指揮者の準・メルクルとの対話とそれに続くストラビンスキー作曲の音楽劇「兵士の物語」での音楽と舞踊の対話をDVDで見ます。ご期待下さい。

2010年4月22日木曜日

井上ひさしさんの言葉

難しいことをやさしく
やさしいことを深く
深いことをおもしろく
おもしろいことを真面目に
真面目なことを愉快に
そして、愉快なことはあくまで愉快に

4月9日に急逝された井上ひさしさん。昨年10月末ごろから体調不良を訴えられ、その後肺癌と診断され治療を受けておられました。回復されてまた沢山の作品を書かれると思っていました。特に沖縄のことを作品になさるのを楽しみにしていました。加藤周一さんに続いての九条の会の呼びかけ人がまたお一人亡くなられました。
戯曲作品では、渡辺美佐子のひとり芝居「化粧」は神戸演劇鑑賞会の例会で複数回取り上げられたし、主宰されていた劇団こまつ座への書き下ろし戯曲 「頭痛肩こり樋口一葉」「雪やこんこん」「父と暮せば」などは神戸の劇団も数々上演したことを記憶しています。
ぼくから見れば井上さんは一番身近な、大きな作者。膨大な作品に共通するのはユーモアと勇気を持たせてくれる社会性。
ぼくの書棚には「下駄の上の卵」「吉里吉里人」「腹鼓記」「馬喰八十八伝」「東京セブンローズ」「もとの木阿弥」「国語元年」「小林一茶」「ムサシ」「キネマの天地」「不忠臣蔵」「しみじみ日本・乃木大将」「私家版日本語文法」「ナイン」などがあります。
内橋克人さんが13日のNHKラジオの「ビジネス展望」で井上さんを追悼されていました。
「ひたすら人間が人間らしく生きる社会のために献身されてきた人です。何が誰がどのようでなければならないか、道筋をなしてきた数少ない存在でした。」と。

2010年4月19日月曜日

「イッセー尾形とすてきな先生in姫路」

イッセー尾形さんの演出家森田雄三さんが、兵庫県下の中学校の国語教師たちと作り上げる舞台。イッセーさんも一緒に舞台に立つ!5年前、兵庫県中学校国語研究大会で1回だけの公演のはずが、なんと東京2回、大分1回の遠征を含め10回も公演してしまった劇団センセーズ。初めての姫路公演は、5月4日19時と5日15時の2回、姫路キャスパホール(山陽百貨店西館7階)、料金3000円(全席指定)。抱腹絶倒なかに中学校の現場を垣間見る楽しさ、懐かしさがある。チケット申し込みは090ー1914ー4907(中島)、チケットびあ、ローソンチケット。

2010年4月14日水曜日

マルセ太郎のプロフィール

1933年(昭和8年)大阪市に生まれる。
大阪府立高津高校時代に演劇の道を志す。
1954年、新劇俳優を夢みて上京。芸名の由来でもあるマルセル・マルソーの舞台を見て感動、日劇ミュージックホールでパントマイムを演じてデビューする。
その後「コメディードンキース」や「スタミナトリオ」を結成して浅草演芸場や全国各地のキャバレー、ストリップ劇場に出演。
1980年のサル歳には、持ちネタの一つであるサルの形態模写で大人気を博する。
1982年よりライブハウス「プランB」でピン芸(ひとり芸)を磨き、1984年、映画を1人で語って演じる「スクリーンのない映画館」で映画再現芸という新しいジャンルを開拓し、
色川武大氏、永六輔氏、矢野誠一氏、淀川長冶氏らの注目を集める。
また、話芸のジャンルを広げてマルセ太郎の世界を築く。
1993年にはマルセカンパニーを率いて「黄昏(たそがれ)に踊る」(脚本・演出)を発表。以来、生や死、老いなどを題材とした喜劇の脚本、演出を手がけ、その数9本におよぶ。
中でも、知的障がい者と健常者の共同生活を描いた「花咲く家の物語」は、全国各地で高い評価をえた。
1995年、肝臓がんの手術を受けるが、たび重なる再発と向き合いながら強靱な精神力で活動を続け、
1998年母国である韓国を訪問、ソウル国際演劇祭で特別公演を成功させた。
神戸との付き合いは長いが、2000年4月「立体講談 殺陣師段平物語」「スクリーンのない映画館 生きる」、5月「立体講談 桃川燕雄物語」「スクリーンのない映画館 泥の河」、
6月「スクリーンのない映画館 ライムライト」「スクリーンのない映画館 息子」、7月「フリートーク あのころの浅草」「立体講談 中村秀十郎物語」の8演目を公演した。
2001年1月22日、岡山の病院で急逝。享年69歳。
著書には『芸人魂』(1991・講談社)『奇病の人』(1998・講談社)がある。

2010年4月11日日曜日

田中泯 独舞「第5回場踊りin神戸<須磨寺>」

「踊る前衛」田中泯の今年の神戸での場踊りは5月22日(土)16:00〜17:00、
須磨寺で。(雨天決行)
田中泯は常に前を走りながらダンサーとしての試を続けている。
「私は場所で踊るのではなく場所を踊る」田中泯の<神戸を踊る>は見逃せない!

主催:神戸芝居カーニバル実行委員会
協賛:大本山須磨寺
後援:兵庫県、神戸市、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、兵庫県芸術文化協会、神戸市民文化振興財団

前売り 2500円  当日 3000円 公演協力金 1万円(前売り券5枚お渡し・5月10日までの入金が必要)
お申込み:TEL 090−1914−4907(中島) FAX 0797−77−4657 メール min2009kobe@gmail.com

2010年3月30日火曜日

オオタスセリ�ワンマンライブ 神戸vol3

「ストーカーと呼ばないで」の自作曲で一挙にファンを獲得した身長175cmのオオタスセリの神戸では3回目のライブ。 ギターでの自作曲の弾き語りやひとりコントに登場する人物はどれも親しみと共感を呼ぶ。永六輔さんの言葉をお借りすると「図体だけがデカイのではない。笑いもまたデカイ!」「スセリ笑うか、スセリに笑われるか。」のスセリさんです !まだ観てない人はお見逃しなきよう!観た人はお友達に見逃さないよう話してあげて!
会場は三宮・「サロンドあいり」三宮駅東改札口を南側に出て東へ徒歩5分。電話078-241-1898。食事・1ドリンク付3500円。先着50名。予約は090ー1914ー4907 中島まで。

2010年3月26日金曜日

映画「シャネル&ストラビンスキー」

エンターテイメントいっぱいの映画。シャネルの別荘の室内装飾、衣装、歴史的な「春の祭典」のシャンゼリゼ劇場での初演の模様、クラシックカーとこだわりが楽しめる。シャネル役のアナ・ムグラリスはシャネルのミューズとして活躍中のモデル。1978年生まれとは驚き。ストラビンスキー役はデンマークの俳優マッツ・ミケルセン。1965年生まれ。8年間ダンサーをした1996年演劇学校に入ったという。1つ年上の夫人カーチャ役は1973 年生まれのロシアの俳優。シャネルとカーチャ、両極にある二人の、どちらも自立した女性の魅力がこの映画の魅力にもなっている。不満が1つ。ココとイゴールのセックス描写が2ヵ所あるがショットが長すぎるし、アングルも含めて必然が感じられない 。隣室にカーチャが居ることを承知でのセックスとしても。(2009年・フランス/シネリーブル神戸)中島淳

2010年3月23日火曜日

アレクサンダー・コブリンピアノリサイタル

コブリン前半はシューマンプログラム、後半はショパンプログラム。ショパンが素晴らしかった。バラード第2番、3つのノクターンop.15、幻想ポロネーズのプログラム構成にも豊かな才能を感じたが、即興曲第1番、エチュードop.25から2曲、24曲のプレリュードop.27の第7曲のアンコール4曲の構成も見事だった。1980年生まれのコブリンのショパンはデビュー当時のブーニンと共通する繊細さと力強さがある。コブリンを追いかけるぞ。10月23日芸文センターでのショパンのコンチェルト、聴きたい!そのコブリンのシューマンは彼の人生経の浅さが現れてテクニックの凄さが表に出る演奏に終わった。シューマンのあの愛の音色が聴こえてこなかった!たしかシューマン31歳の作曲。コブリンの人生経験はシューマンに比べてまだまだということ。だから追っかけてみたい!(3月22日県立芸術文化センター大ホール)中島淳

2010年3月18日木曜日

松元ヒロ「笑」ライブまもなく!です

8年連続の神戸でのライブが2週間後になりました。 4月3日・土曜日15時開演のチケットはあと20席、2日・金曜日19時開演のチケットはあと40席です。お早めに、そして出来れば2日19時の公演にお越し下さい。

2010年2月22日月曜日

松元ヒロ「笑」ライブは4月2日・3日

2003年から毎年神戸で2日間のライブを続けている松元ヒロ。今年は4月2日金曜日19時と3日土曜日は3時の2回公演(開場は30分前)。会場は神戸新聞松方ホールのホワイエ、120席の超贅沢な空間です。 前売り券25百円、当日券3千円(前売り券完売の時は当日開演5分前のご入場になります)小学生以上の学生15百円。 歴代首相を庶民の目線で登場させてきたヒロさんが鳩山由紀夫さんをどう演じてくれるか?時事と社会を鮮やかに切り刻んでくれるか?日本人の心に沁みるどんな語りを披露してくれるか?毎回笑いと涙の2時間のスタンダップコメディ&パントマイムをお見逃しなく!

チケット情報