2010年7月26日月曜日

韓国映画「クロッシング」(シネ・リーブル神戸)

17日にKAVCシアターで韓国映画「息もできない」18日に長田ピフレホールでドキュメンタリー映画「月下の侵略者」を観た際、24日から神戸封切りと教えられ、初日第1回(12時10分上映)を観に行った。観客90人弱はまずまずの評判の現れと思われた。
この映画をどのような立場で、あるいは価値観でもって観るか。北朝鮮と韓国、貧困と労働、国家権力と国民、家族と隣人など軸になるものはいくつもある。
映画は2002年にあった脱北者25人がスペイン大使館に駆け込んで韓国亡命に成功した事件をモチーフにしている。製作は、脱北者問題に冷淡だったノ・ムヒョン大統領時代のため極秘裏にすすめられ、政権交代後の2008年6月に韓国で公開された。
ぼくは炭鉱で働く主人公ヨンス(元北朝鮮代表サッカー選手)と妻ヨンハ、一人息子ジュニの家族とヨンスの親友で中国交易を仕事にしている家族(妻とジュニと同年の娘)におよぶ運命の残酷な様を中心に観た。
ぼくに涙はなかった。それは音楽のセンチメンタリズムと大きすぎる音量のせいだったように思う。(韓国国内の映画祭では音楽賞を受賞しているそうだ)
ジュニ役の少年がいい。必見映画である。上映は、12:10と16:30の2回。

2010年7月25日日曜日

吉行和子著「ひとり語りー女優というものはー」(文藝春秋刊)

吉行さんはエッセイスト・クラブ賞をとられたことがあるように、出版されれば直ぐに手にとってみたい書き手のひとりである。
吉行さんそのものが実におもしろい人だと、テレビ番組や映画やテレビドラマから垣間見ているので、今回の女優としての半生記を一気に読ませて貰った。
31篇のエッセイからなっているが、それぞれのエッセイの締めくくりの言葉が吉行さんならではのユニークなもの。
登場人物、母あぐり、吉行淳之介、宇野重吉、杉村春子、寺山修司、大江健三郎らと吉行さんとの関係性が、その人との会話と会話の様子、言葉で見えてくるのがなんともおもしろい!
228ページに「1993年、この年から『MITSUKO−ミツコ世紀末の伯爵夫人』という一人舞台をはじめる。神戸の演劇プロデューサーが企画して、一人舞台大会を開くので『小間使の日記』で参加してくれ、との申し込みがあった。でも、私はどうせなら、日本人の役をしたいと思った。実在の人物、日本だけに留まらず海外にも行った人、そして今まで舞台や映画で描かれていない人物にしたい。演出家の大間知靖子さんと相談し、彼女が『クーデンホーフ光子伝』という分厚い本を見つけてくれた。これを芝居にして参加することにした。まさかその後、十三年間も続けるとは思ってもみなかった。」とある。演出プロデューサーと書かれているのはぼくで、前年5月に第1回を開催して翌年の企画を持ち込み、渋谷でお二人に会っていただいたもので、プロデューサーとは言えない駆け出しであった。事情を知らないぼくがお願いしたのはNHKTVでみた『蛍』の再演であったが「あれはテレビだからできたもの。」と吉行さんに言われ、大間知さんが「去年だったら芥川の百年でなにかできたわのにね。とにかくなにか考えてみましょう。」と言って下さって始まった舞
台だった。(1500円)

2010年7月20日火曜日

レンピッカ展(兵庫県立美術館)

タマラ・ド・レンピッカの肖像画は構図、色彩、モデルの眼に引き込まれる。大胆で新鮮、女性の肌の美しさと透徹した女体の官能。これらは、レンピッカが自身の美貌に絶対の自信を持ち、女性をも恋人にしていく自身の揺るがない観察力を持ち得たから描けたに違いない。
レンピッカ自身の容貌の衰えとともに、絵が描けなくなり、輝きの失せたものになってゆくのは必然だったのだろう。
7月25日まで。

2010年7月1日木曜日

深川和美の「おとなも子どもも童謡サロン」

今日7月1日は「童謡の日」です。 
7月11日(日)14時開演で、深川和美の「おとなも子どもも童謡サロン」を、松方ホールで催します。
長田区で被災、家屋全壊にあった深川和美が口ずさめたのは、それまで歌ってきたフランス歌曲で
はなく幼いころに親しんだわらべ歌や唱歌、童謡でした。
震災を契機に「童謡サロン」が始まったわけです。
深川が歌う童謡は、「題名のない音楽会」(6ch)でも紹介されたように、まったく新しいサウンドで再構成
されていながら、みんなで歌えるという不思議な音楽になっています。

ぜひお越しいただきたいと思います。
前売2500円、子ども(4歳〜高校生)1500円、当日3000円、子ども(4歳〜高校生)1500円。
お申し込みは、「童謡サロン実行委員会事務局長・中島淳090−1914−4907」まで。
お待ちしています。