タオス・プエプロ族の生き方(彼らは生き残れるという絶大な自信をもっている。これを彼らの生き方と呼んでいる)について古老の男女が語るのは、自然への共生の感覚、ルーツへの帰属感覚である。
「白人は大地を眺めるのに、決してひざまずこうとはしない。上の方から見下ろすのだ。アリの重要性を認めない。クモの巣の美しさを見ようとしない。畑で土が掘り起こされるのを見たことがない。コオロギの泣き声なんか、聞きたくもないのだ。」
タオス・プエプロにとって、また原作者ナンシー・ウッド(めるくまーる刊・金関寿夫翻訳)にとっては恐らく毎日が「死ぬのにもってこいの日」であるにちがいない。
大震災と津波と原発によって私たちが価値観と生き方を問い直されている今日、この<語りかけ>は私たちに貴重な思考を与えてくれると思います。
麦人は、神戸芝居カーニバル第1回ひとり芝居のしばい展(1992年5月)に独演「ごびらっふの死」で大好評を博した演者、声優で、根強いファンを持っている。